barber講座 part2

2025.10.22

こんにちは!サトウです

やってきました今月のbarber講座

今回は第二弾という事で理容師が使うハサミ 『シザーズ』を解説しようかなと思います

僕ら理容師は普段使う道具としてバリカンとシザーズが主に髪の毛を切る道具として使っています

 バリカンの解説は前回したので今回はシザーズです

 美容師と理容師によっても使うハサミは違ってきます

そのような詳しい解説もしていこうと思います

  まずはシザーズの成り立ちについて解説します

🔷 理容師シザーズの成り立ち(歴史)

1. 🔪 起源:刀鍛冶の技術から発展

  • 日本の理容鋏のルーツは、日本刀を作る「刀鍛冶」の技術にさかのぼります。

  • 江戸時代以前、日本では「髪を整える」という文化は限られており、鋏もまだ現在のようなものではありませんでした。

  • 鋼を鍛えて刃を作る技術が進化する中で、江戸時代〜明治時代初期に理容・美容用の鋏が発展していきました。


2. ✂️ 明治〜大正:理髪業の誕生と共に

  • 明治時代に入り、**西洋式の理容文化(バーバースタイル)**が日本に流入。

  • 「散髪脱刀令(1871年)」で武士が髷を切ることが奨励され、散髪が一般化

  • これにより、理容業が発展し、専用の鋏(理容シザーズ)が求められるようになりました


3. ⚙️ 昭和期:国産シザーズの高度化

  • 1940年代〜1960年代:日本の鋏製造技術が飛躍的に進化。

  • 刃物の町・岐阜県関市や新潟県三条市などが中心地に。

  • 刀鍛冶の流れをくむ職人たちが、鍛造・焼き入れ・研磨などの高度な技術を応用して、高品質な理容鋏を製造。


4. 🌍 現代:世界に誇る「日本製シザーズ」

  • 現在、日本製の理容師シザーズは、海外の理容師や美容師にも非常に高く評価されています。

  • 特に「ナルトシザー」「ミズタニ」「ジョーウェル」などは、クラフトマンシップと切れ味の精密さで世界中にファンがいます。


🔷 文化的意義

理容師シザーズは、単なる作業道具ではなく、以下のような文化的価値も持っています。

  • 🧑‍🎨 職人文化の継承:数十年かけて習得される鍛造・研磨の技術。

  • 💇‍♂️ 生活文化の一部:男性の整髪・身だしなみの文化の中核。

  • 🌏 日本のモノづくりの象徴:高品質な日本の工業製品として世界に知られる。

 

このように日本の技術が詰まったものになります

次に美容師と理容師のシザーズの違いについて解説します

理容師シザーズ」とは、理容師が髪をカットする際に使用する専用のはさみのことを指します。一般的には「理容用シザーズ」や「理容鋏(りようばさみ)」とも呼ばれます。


🔹 特徴

理容師シザーズは、美容師用のシザーズと似ていますが、細かい点で違いがあります。

項目 理容師シザーズ 美容師シザーズ
刃の形状 より直線的で、刃が厚め 曲線的で、軽量なものが多い
用途 主に男性のカット(短髪、フェード、刈り上げなど)に適している 長髪やレイヤースタイル、女性向けスタイルに適している
カット技術 正確なラインを出す技術に特化 動きのある毛先、質感カットに向く

 

最後にシザーズの代表的なメーカーをご紹介します

 

  • ナルトシザーズ(NARUTO SCISSORS):1963年創業。職人が刃のバランスを一丁ずつ調整し「切った感覚が柔らかい」「髪の切断面がきれいでダメージが少ない」と評される高級ブランドです。

  • ミズタニシザーズ(MIZUTANI SCISSORS):1921年創業。高品質な鋼材・刃形状・美しい仕上げを追求し、国内外で評価されている老舗。

  • キラ・シザーズ(KIRA SCISSORS):2000年設立。使いやすさと刃・ハンドルの強度・バランスにこだわり、ハンドル握った瞬間からバランスの妙を感じる手作り仕上げ。

  • 光邦シザーズ(KOUHOU SCISSORS):50年以上理美容師に愛用される日本製。職人のこだわりで「髪にも人にも優しい鋏づくり」を掲げ、信頼あるブランドです。

  • この他にもたくさんのメーカーと企業努力でシザーズは日々進化しています
  • 今回はシザーズを深堀させて頂きました
  • また次回お楽しみに

 

 

 

 

 

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